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ブルーノート

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「ならまち」にある老舗ライブハウス「ブルーノート」で3月19日に僕のQuintetで出演させていただきました。 このライブハウスが、まだ京都市内にあった時、一度だけ出演したのですが、奈良に移転してからは初めてでした。 僕は40代と50代の頃は、阪神間のお店を中心に演奏の仕事をしていましたが、地域柄でしょうか、ボーカリストを中心に仕事が回っている感じでしたし、集客はボーカリスト頼みという側面などを感じていました。 ボーカリストは女性がほとんどですので、ライブは自ずと華やかになります。 これはこれで、お店もボーカリストもミュージシャンも、そのビジネスモデルの中で諸々が成立しているわけですからいいと思います。 しかし、 それは僕が学生の頃のジャズシーンとは似ても似つかない状況だと感じています。 時代が変わった、で片付けることは簡単ですが、 今は、さまざまな理由で、ジャズがとても身近ですね。 かつてジャズは、 崇高で哲学的で論理的で難解で音楽的で芸術的で、聴く者を圧倒する「音楽のエネルギー」の塊でした。 僕にとってジャズミュージックは、おいそれと生半可な気持ちや努力、レベルでは、近づくことのできない 聖域 だったのです。(もちろん今もこの想いは変わりません。) 僕は、還暦数年前に、いわゆる「お店の仕事」は全て辞めました。 ジャズに対する畏敬の念を失いそうになったからです。 僕は自分をつくづく不器用だと感じています。笑 うまくバランスをとって頑張っているミュージシャンは山ほどいるのですが。。 僕は、今、その主戦場を「ホールコンサート」においていますが、ごく少数ですが、 僕が惚れ込んだライブハウスやお店 に出演させていただいています。 先日、ブルーノートに出演させていただいて強く感じたことがあります。 ここは、 出演者もお客様も、ホンマモンかどうか、炙り出される! って。 ここで演奏するには、 音楽に、エネルギーとオリジナリティーとメッセージが必要だ! って。 学生時代に持っていたジャズに対する「情熱と畏敬の念」を、演奏中に思い出して胸が熱くなりました。 ブルーノートはまさに僕が求めていたライブハウスだったのです。 ここ奈良のブルーノート、盛岡のK、名古屋のS、神戸のC、明石のP、岡山のT、広島のL、高松のS、松山のG、那覇のS、北谷のMなどなど、思いついただけを列挙しましたが

アンサンブルは楽しい 

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ジャズアンサンブルをやっていく中で、人の世全体にも当てはまることを感じています。 それは 「他者に寄り添う」 と言うことです。 ご承知の通り、ジャズアンサンブルは、アンサンブルを構成するミュージシャンが「アドリブソロ」をします。 アドリブソロをしているソリスト以外(特にリズム隊)は、バッキングをするわけですが、ソリストは時に奔放に「アウト」したり、歌物でもモーダルなスケールに基づくソロをします。 そんな時、 ついていってあげようよ。 フロントが何をしようと、我関せずは良くないと思いますね。 シンガーも、人のソロの時、全く聴いていないなー 、と感じることは多々ありますね。笑) ジャズのアンサンブルは、 バンドみんなでウインドウショッピングをしているようなもの です。 1人が、こっちの店でいいネクタイを見つけたら、みんなも「どれどれ」って見に行ってあげる。 そしてまた別の人が、別の店で、カッコいい上着を見つけたので、 またみんなが「おー、いいじゃん」って見に行ってあげる。 しかしながら、 音楽的に他者に寄り添うには、実は、相当な 「耳」「知識」「技術」 が必要です。 寄り添うためにも、勉強を積まなければならないですね。 「 いつでも」「どこでも」「誰とでも」「笑顔で」「寄り添う」 ことが アンサンブルには不可欠ですね。 アマチュアの方のセッションに参加すると、 ごく稀ですが「自分が、自分が」的な立ち振る舞いと演奏をされる方をお見受けします。 僕も含めて、ミュージシャンは、技術の未熟さを凌駕する「心」が必要ですね。 これらのことは、人の世にも通じてるように感じています。 「音楽」は「人」である所以ですね。 ※ 画像は 10 年前のものです。彼はこの 4 月から高校生。 素晴らしい少年であり、ピアニストです。

僕のジャズ1

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クラシックを3歳から17歳までやってきたのですがジャズに転向しました。 クラシックでダイナミクスを指定されるのが嫌だったのです。自分はここはピアニシモで弾きたいのに、譜面にはフォルテと書いてあったりすることが納得できなかったんですね〜。 今は、それは自分の我儘だったと感じていますが、その時は、かっこよく言えば「より自由を求めて」ジャズに行った、って感じでした。しかし、後年、クラシックの重要性を痛感し、ジャズをより深めるためにも、クラシックを再度学ぶためにドイツに渡りました。 ジャズは独学でスタートし成人して随分時間が経ってから師匠につきました。スタートが独学だったことがとても良かったと今思えています。 演奏で何が行われているか、また、その思想と本質はなんなのか、悩み苦しみ抜いたことが、本当に良かったと感じています。後付けで正しい理論と照らし合わせたときに自分の悩みが無駄ではなかったと思えました。 今は、クラシックとジャズ両方の素晴らしさと奥深さを感じ、遅咲きではありますが、音楽を仕事にしたことをつくづく良かったと思っています。 ※画像は「金谷康佑 Modern Jazz Quintet」(Bs/中嶋明彦・Ds/塩入基弘・Tp/藤井美智・As/西村貴行)